パンジー:トゥルーバイカラー

はじめに・・・
私が遺伝子に興味を持つきっかけを与えてくれたパンジーに心から感謝します。
貴女のお蔭で沢山の事を学びました。パンちゃん、家に来てくれてありがとう♪

ラグドールのカラーポイントを白で覆わせ、ミテッド、バイカラー、ヴァンバイカラーの各パターンを表現する遺伝子を白班遺伝子と言います。白班遺伝子は、以下の3つです。

 

1.白を表現しない遺伝子

ポイント

1の遺伝子は、白を表現しない遺伝子です。

 

2.ミテッドパターンを表現する遺伝子

ミテッド

ミテッドパターンは、ミトンとソックス、下顎から下腹部にかけて、白が表現されています。
2の遺伝子は、体全体の約1/4の大きさの白を表現できる遺伝子です。

 

3.バイカラーパターンを表現する遺伝子

バイカラー

バイカラーパターンは、体の約半分が白に覆われています。
3の遺伝子は、体の約半分の大きさの白を表現できる遺伝子です。

 

どの猫も、両親から一つずつ白斑遺伝子を受け継ぐので、一組の白班遺伝子を持っています。カラーポイントの猫に各パターンを表現させるには、上記の3つの遺伝子をそれぞれ組み合わせます。(白を表現しない遺伝子の呼び方をポイントに置き換えます。)

  1. 1と1・・・ポイントパターン(ポイント/ポイント)
  2. 1と2・・・ミテッドパターン(ポイント/ミテッド)
  3. 1と3・・・バイカラーパターン(ポイント/バイカラー)
  4. 2と2・・・バイカラーパターン(ミテッド/ミテッド)
  5. 2と3・・・ヴァンバイカラーパターン(ミテッド/バイカラー)
  6. 3と3・・・ヴァンバイカラーパターン(バイカラー/バイカラー)

どのラグドールも上記の6通りの中のいずれかの遺伝子の組み合わせを持っています。
3と4は、同じバイカラーパターンですが、白の面積も同程度だと想像できますか?
5と6は、同じヴァンバイカラーパターンですが、白の面積が違うことが想像できますか?
4のバイカラーパターンは、ミテッド遺伝子2つでバイカラーパターンを表現していると想像できますでしょうか?

上記の1〜6の白斑遺伝子の組を持つラグドールを

  1. Point ポイント(ポイント/ポイント)
  2. Mitted ミテッド(ポイント/ミテッド)
  3. Bicolor バイカラー(ポイント/バイカラー)
  4. Hi Mitted ハイミテッド(ミテッド/ミテッド)
  5. MId Hi White ミッドハイホワイト(ミテッド/バイカラー)
  6. Hi White ハイホワイト(バイカラー/バイカラー)・・・と呼びます。

 

 下の表を使って、どんなパターンの仔猫が生まれるのか予想してみませんか。
慣れると簡単なので試して遊んでくださいね。

A枠とB枠に父猫の白班遺伝子を一つずつ入れます。
C枠とD枠に母猫の白班遺伝子を一つずつ入れます。
1子枠には上の父の遺伝子と左の母の遺伝子を入れます。
2子枠、3子枠、4子枠も同じです。

 

ハイミテッドが生まれる白班遺伝子の組み合わせ

日本に多くいるバイカラーパターンのラグドールは、ミテッドの遺伝子を2つ持つハイミテッドです。
両親共にミテッドの遺伝子を持ち、両親からミテッド遺伝子を一つずつ受け継ぎ、バイカラーパターンを表現しています。
以下の6つの表がハイミテッドが生まれる組み合わせです。
日本でPointや、Bicolorのラグドールを持つキャッテリーは少ないので、殆どの日本生まれのラグドール達は、上の3つの表の両親の組み合わせで誕生した子達だと予想されます。(頭数については確率です。)

ミテッド同士の両親から生まれる仔猫は、
ポイント1頭、ミテッド2頭、ハイミテッド1頭です。

ミテッドとハイミテッドの間に生まれる仔猫は、
ミテッドが2頭、ハイミテッドが2頭です。

ハイミテッド同士の両親から生まれる仔猫は、
ハイミテッドしか生まれません。

 

ミテッドとミッドハイホワイトの間に生まれる仔猫は
ミテッド1頭、バイカラー1頭、ハイミテッド1頭、ミッドハイホワイト1頭です。

ハイミテッドとミッドハイホワイトの間に生まれる仔猫は、
ハイミテッド2頭、ミッドハイホワイト2頭です。

ミッドハイホワイト同士の間に生まれる仔猫は、
ハイミテッド1頭、ミッドハイホワイト2頭、ハイホワイト1頭です。

 

Ture Bicolor

 あなたの愛猫ちゃんの両親が、上記の表の上から3つの組み合わせにないバイカラーパターンのラグドールならば、若しくは、その子がヴァンバイカラーのように明らかに体全体の白の面積が多ければ、その子の祖先に「Bicolor遺伝子」を持つ猫がいるかも知れません。
遺伝子型「Point/Bicolor」は、True Bicolor とも呼ばれ、一つの遺伝子だけで体の約半分の白を表現しています。
我が家のパンジーは完璧に近いバイカラーパターンですが遺伝子型は「Point/Bicolor」のTrue Bicolorです。

 遺伝の話は、どうしても難しくなってしまうので、この辺で苦笑話を披露します。
 オースターのお嫁さんを予約していた時に、ブリーダーから「ミテッドとバイカラーの仔猫が生まれたけれど、どちらの子が良いか?」と聞かれました。
繁殖経験の長い貴女が良いと思う方の子を迎えたいと連絡したところ、バイカラーの子を選んだと返事が来ました。「その子はTrue Bicolorよ 」とも書いてありました。
一緒に迎えるブルーバイカラーのカーラには、 True Bicolorの記載はなく、その頃の私は白班遺伝子の存在を知らず・・・「パンジーは本当のバイカラー?カーラは偽物?」と本気で首を捻りました。今思えば、その時に「True BicolorはBicolorと何が違うのですか?」と質問すれば良かったのですが、写真で見るパンジーとカーラは、それはそれは愛らしかったのと、パンジーはブルーリンクスバイカラーで、カーラはブルーバイカラーとカラーパターンは書かれていたので「偽物でも本物でもバイカラーはバイカラー!」と何も聞かず迎えたのでした。(パンジーを迎えた時には、まだリンクスが公認されていなかったので、リンクス(縞)に何か関係があるのかも知れないとも、チラリと考えました。)

 可愛い可愛いオースターの嫁2号として迎えた、これまた可愛い可愛い迎えたパンジーが成熟して、2頭の間に6頭の仔猫が誕生しました。
私は、オースターもパンジーも極一般的なバイカラーパターンの子だと思い込んでいましたから、当然、仔猫たちも全員両親と同じようなパーフェクトマーキングに近い模様の仔猫たちが生まれてくるものだと思い込んでいました。
 ところがどっこい!!仔猫達のマーキングが見えてくるようになった時の気持ちを正直に書くと「うぎゃー、なんで?バイカラーは白が多すぎるし、ミテッドもいる・・・なんで?こんなに愛くるしいお顔立ちなのに柄が、模様が!なぜなの〜〜〜?????」
両親とは違い、バイカラーパターンにしては白が多すぎる仔猫と、白が少な過ぎる仔猫の両極端な仔猫だけで・・・ただショックでした。
 その頃のラグドールは、今よりも柄重視で、パターンが美しい事が最重要で、CFAはまだラグドールを公認していませんでした。
「なぜ、家だけこうなるの?」と思ったものです。(嗚呼、懐かしい)

オースター(横)とパンジー(縦)の組み合わせは

確率では、ミテッドが2頭、ミッドハイホワイトが2頭です。
1回目のペアリングで実際に生まれた仔猫達は、ミテッドが1頭、ミッドハイホワイトが5頭でした。
(六花生まれのヴァンパターンは、全てミッドハイホワイトです)

 白班遺伝子の存在を知らなかったその頃の私は、「運」だと思う事にしました。パンジーのブリーダーは、美しいマーキングは「運」だと言っていたのです。
両親のマーキングが綺麗でも、仔猫が綺麗なマーキングを持って生まれてくるとは限らない。まず、作りたい猫の型を固定しなさい。そして、後は綺麗なマーキングの子が生まれるのを待ちなさい・・・そう聞かされていた私は、運と決め付けたのです。
 そして、仔猫達の白が多すぎてしまうのは、お顔の白い△が左右均等ではないオースターのせいにして(苦笑)、パンジーの相手をマックスに変え組み合わせてみました。結果はトホホ。同じでした。
やはりバイカラーパターンの仔猫達は白が多すぎ!けれど、ミテッド達は綺麗なパターンでした。

 この頃、私に白班遺伝子の存在が耳に入り、True Bicolorの意味を理解しました。
パンちゃんの白斑遺伝子を知るにはポイントのトーイとペアを組ませるのが一番と思い、ペアを組ませました。

トーイ(横)とパンジー(縦)の組み合わせ

確率では、ポイントが2頭、バイカラーが2頭です。
実際にはポイントが3頭、ごく普通なバイカラーパターンが2頭が生まれました。
仔猫の中にポイントが2頭含まれていたことで、パンジーが紛れも無くTrue Bicolorと解った組み合わせでした。

白班遺伝子を理解すれば祖先の遺伝子まで想像できて、その姿も想像できます。
 パンジーがTrue Bicolorだったお蔭で、私は白班遺伝子をきっかけに、もっと遺伝子のことを知りたいと思うようになりました。

 Bicolor遺伝子を持つラグドールは、イギリスやヨーロッパでは多く繁殖されています。興味がありましたら「ragdoll true bicolor」 「ragdoll hi white」「ragdoll mid hi white」などのキーワードで検索してみてくださいね。
また、Bicolor遺伝子を持つラグドールを繁殖に使っているキャッテリーでは、必ずと言っていいほどポイントの猫を持ち、生まれてくる仔猫の白班の大きさをコントロールしています。

 

 もし、貴方が繁殖を試みる方で、貴方の愛猫の祖先を遡っても、バイカラー、ミッドハイホワイト、ハイホワイトのいずれかを断定できないときには、愛猫とポイントを組み合わせてみてください。
仔猫の中にポイントが生まれてきたら、貴方の愛猫はバイカラーです。
仔猫にミテッドとバイカラーパターンが混ざっていたら、おそらく、貴方の愛猫はミッドハイホワイトです。
仔猫が全てバイカラーパターンであれば、愛猫はハイホワイトです。

 愛猫がミテッドなのか、ハイミテッドなのか解らない場合も、ポイントと組ませます。
ポイントの仔猫が生まれたら、愛猫はミテッドです。ポイントの仔猫が生まれず、ミテッドだけなら、愛猫はハイミテッドです。

 白を表現させる遺伝子を持っていないポイントと組み合わせる事で、一組の白班遺伝子をバラバラにして、隠された本来の形を仔猫の体に表現してくれるでしょう。愛猫の白班遺伝子の大きさ、型を知るには一番効果的な組み合わせです。
ただし、生まれてくる仔猫の予想は、あくまでも確率なので、1回の組み合わせで正しい答えが出るとは限りません。

 私は、初め六花から3の遺伝子Bicolorを排除したいと考え、パンジーの子はミテッドしか手元に残しませんでした。トーイとの間に生まれたバイカラーを残そうかと悩んだ時も、3の遺伝子を無視する事ができませんでした。その頃の六花にはトーイ以外のポイントがいず、バイカラーを残せば、また白の多いミッドハイホワイトが生まれてくることが解っていました。新たにポイントのデュークを向かえた今は、バイカラーでも、ミッドハイホワイトでも、ハイホワイトでもドンと来い!です。

 白班遺伝子は、ペアの組ませ方で生まれてくる仔猫のパターンを予想できます。予想ができれば、ペアを組ませる相手を選べますし、次世代の繁殖計画もスムーズになると思います。

 

白班遺伝子は・・・摩訶不思議

  • 白班遺伝子が白を表現する面積は、個々に差があり面積を固定できません。 私は、ミテッドの基本を体全体の1/4の白と考え、バイカラーの基本を体全体の半分の白と考えています。
    そして、それぞれの白斑遺伝子は、白の面積を半分〜倍に変化させる「遊び」を持っていると考えています。遺伝子の遊びが白の面積を広くしたり、狭くしたりと、同じ遺伝子を受け継いだ兄弟間で個々の特徴を作っていると考えています。
    また、異なった白斑遺伝子を持つラグドール達が、体を覆う白の面積が全く同じに見えるのも遺伝子の遊びだと思っています。
  • 白班遺伝子の型と白を表現させる面積のおおよその広さが解れば、3の遺伝子も決して扱い辛くありません。ポイントから1代でバイカラーパターンを表現できるのは3の遺伝子しかありません。その分遊びも大きいとは思いますが、使い方によっては魅力的な遺伝子だと思います。パンちゃんの3の遺伝子を残しておけば良かったと今は思っています。
  • 2の遺伝子を2つ持つ(4)ハイミテッドが、2つとも同じ面積の白を表現するとは限りません。
    そのハイミテッドがパーフェクトマーキングならば、各遺伝子の白を表現する割合が5:5が望ましいのですが、2:8かも知れません。
    割合2:8のハイミテッドとポイントを組み合わせた場合、2割の遺伝子を受け継いだミテッドは、小さなミトンと短いソックスを重ね着していますし、8割の遺伝子を受け継いだミテッドは、ミテッドと言うよりバイカラーパターンに近い見た目になるでしょう。
  • 白の面積が二つの異なったパターンの中間だと、どちらのパターンで登録するのか悩みますが、どちらかに決めなくてはならないので、どちらかにします。
  • 3の遺伝子を持つラグドール達は、白の面積だけで見た目の判断も難しく、先祖のパターンを遡っても白班遺伝子を特定できず、子を得なければその猫の白班遺伝子が解らないことが多々あります。
  • ラグドールの白の表面積だけでは白班遺伝子を判別できないことが多々あります。
  • TICA、若しくはTICAの傘下のキャットクラブで発行された血統書には、ハイミテッド、バイカラー、ミッドハイホワイト、ハイホワイトは一律に「○○ポイントバイカラー」と表記されます。

 ラグドールの白班遺伝子の白を表現する大きさや場所を永遠に固定できたら、どんなに素晴らしいでしょう?
ミテッドパターンの子なら、左右均等な大きめのミトン、長めのソックス、顎から下腹部にかけての太目の白いライン、額には可愛いブレイズがちょこんと収まって。
 バイカラーパターンの子なら、お顔には幅が広めの白い△、目から額にかけての角度と頬から耳下に流れる角度は違う方が良いな。四肢は全て真っ白で、上から見たら、全く白が見えない子が好き。・・・でも、皆が全く同じパターンを持っていたら面白みに欠けてしまいますよね?
 白い箇所に見えない方が良い色の班も、色の中に飛ぶ白斑も、小さなミトンも、短いソックスも全部、全部その子のチャーミングポイントです。

 カラーポイントに、白で華やかさを増幅させて、オリジナルな模様を表現して、個性を与えてくれるのがラグドールの白班遺伝子です。

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